未来と過去の結合:心臓の鼓動を電源に変える

2017-02-16 09:06 am

光・熱(温度差)・振動・電波など、周りの環境から微小なエネルギーを収穫(ハーベスト)して、電力に変換するエネルギー・ハーベスティングには、以前から興味を持っています。充電・取り替え・燃料補給なしで長期間エネルギー供給が可能なクリーン電源として、「いつでも、どこでも、誰でも、何でも」ネットワークにつながるユビキタスネット、IoT時代に必須の技術とも言われています。

エネルギー・ハーベスティングに関して、最近面白いと思ったのが、心臓の鼓動を電源として、心臓ペースメーカーを動かす仕組みです。スイスの研究者が、エネルギー・ハーベスティングの走りとも言える、自動巻の腕時計が手首の動きをエネルギーに変える仕組みを参考にして応用したものです。なお、心臓の鼓動のように、生命活動の振動や熱からエネルギーを生み出す技術を生体発電と言います。

ペースメーカー等の埋め込みデバイスには動力源が必要で、通常は動力源として電池を使用していますが、電池は交換が必要で、埋め込みデバイスの電池を交換するためには、手術が必要となり、高齢者などには負担となります。生体発電を埋め込みデバイスの動力源として活用できれば、電池交換のための手術をなくすことが出来ます。

コンセプトとしては、生体発電を埋め込みデバイスとして活用することは理にかなっていますが、それを実現することは簡単ではありません。今回、スイスの2人の技術者は、自国の時計に使われている自動巻きの仕組みに着目し、スイス製腕時計を分解し、腕時計を付けた手首が動くと内部のおもりが振れ、その運動がゼンマイに蓄積されるという仕組みを確認しました。そして、この仕組み心臓の近くに置き、おもりが心蔵の鼓動そのものによって動くように機構を修正しました。ブタを使った初期試験では、ペースメーカーを駆動するに十分な約6マイクロワットが得られているそうです。

エネルギー・ハーベスティング、生体発電などは、アイデアの宝庫です。今回の心臓の鼓動でペースメーカーを駆動する仕組みは、既存の昔からある技術を新しいアイデア実現のために利用したという意味でも興味深いものです。新しいものを追求しつつ、過去からの技術やノウハウもうまく活用するというのは、イノベーション創出にとって非常に重要ですね。

(参考)

jp.techcrunch.com/2017/01/12/20170111this-swiss-watch-would-power-and-be-powered-by-a-heartbeat/

www.keieiken.co.jp/ehc/about/index.html

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