味の素が中期経営計画にESG/CSVを本格的に組み込む

2017-02-27 08:47 am

最近、中期経営計画にESGやCSVの内容を含める企業が増えています。投資家がESGに関心を持ち始めていることや、経営のCSVへの関心の高まりを反映したものでしょう。しかしながら、今のところは、ESGやCSVに関する記述を、付け足しのように1枚または数行加えるに留まる企業がほとんどです。

味の素も2014-2016中計では、「Ajinomoto Group Shared Value(ASV)」というビジョンを掲げましたが、経営計画の中ではやや浮いている印象がありました。

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しかし、今般発表した2017-2020中計では、ASVと経営計画の統合がかなり進んでいます。味の素グループの目指す姿(Our Philosophy)を「ASVを中核とした事業を展開し、ミッションとビジョンの実現を目指していく」とし、ASVの理念体系における位置づけも明確にしています。また、ASVを通じた価値創造ストーリーも描き、定性的な社会価値と定量的な経済価値の両立イメージを示しています。

さらには、2020年の統合目標の中で、非財務の経営目標も示しています。非財務目標としては、2020年度目標として、「当社グループ調味料による肉・野菜の摂取量:肉860万トン、野菜550万トン」、「当社グループ製品による共食の場への貢献回数:70回/世帯/年」、「当社グループ製品を通じて創出される時間(日本):3,800万時間/年(6時間/世帯/年)」などを掲げています。

味の素は、今中計においてグローバル食品企業トップ10クラスを目指しており、西井社長は、中計発表の記者会見で、ライバルとして意識する企業として、ネスレやモンデリーズ・インターナショナル、ユニリーバといった欧米食品大手の名前を次々に挙げています。本気で世界で戦うことを意識し、そのためには、ASVにも本気で取り組むことが必要と考えているのでしょう。西井社長は、規模もブランドも圧倒的に強い競合に対して存在感を高めるため、非財務目標にこだわったようです。非財務目標に対して、「議論した期間は18カ月。世界に類を見ない、ユニークな目標ができた」と自負しています。

日本企業が中期経営計画で事業を通じた非財務目標を掲げる事例は少なく、ここまで具体的な数値を掲げている企業はほとんどありません。ESG/CSVが重視される中、今後中計を策定する企業は、これまで付け足しのように1枚または数行記述されていた非財務の内容をどう充実させるかを検討することになると思いますが、味の素の中計は、その内容を本格化する流れを促進するかも知れません。

(参考)
「味の素、中計に「肉・野菜の摂取量」」日経ビジネス2017.2.27号

www.ajinomoto.com/jp/ir/pdf/presentation/17-19presentation-J.pdf

※CSV推進にご関心のある方は、mizukami@cre-en.jpまでご連絡下さい。

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