食品ロス削減の2つの取り組み

2017-03-16 10:53 am

このブログでも良く取り上げている食料ロスは、世界的に非常に注目されている社会課題です。一方で日本は、6割の食料を輸入しながら3分の1を廃棄しているという状態で、世界トップクラスの食料ロス大国であるにもかかわらず、今ひとつ注目度が低いように思います。しかし、今週、日本企業の食品ロスに関する2つ取り組みがニュースになりました。

1つは、JR東日本、JFEエンジニアリングなどによる食品廃棄物を再生可能エネルギーにする事業です。JR東日本と100%子会社で清掃・リサイクルを手掛ける東日本環境アクセス、JFEエンジニアリングと100%子会社で資源化リサイクル・産業廃棄物処理を手掛けるJFE環境の4社が共同で新会社「Jバイオフードリサイクル」を設立しました。

Jバイオフードリサイクルは、横浜市鶴見区を本社とし、同区に食品リサイクル施設を建設、2018年8月に運転を開始する予定で、食品リサイクルとバイオガス発電事業を展開します。発電には、食品廃棄物を微生物で発酵処理する際に発生するバイオガスを利用します。JR東日本の駅ビルや商業施設などの食品廃棄物を活用し、年間で一般家庭3,000世帯の年間使用電力量に相当する約1,100万kW/hの発電量を見込み、再生可能エネルギーの固定買い取り制度を活用して売電する予定です。

イメージとしては、以前ご紹介した米エマソンが展開する食品ロスを再生可能エネルギーにするシステムに近いように思いますが、エマソンのシステムはIoTを活用した効率的なオペレーションを実施しており、エマソンのほうが進んでいる印象です。Jバイオフードリサイクルには、他企業や自治体などとの連携、テクノロジーの活用も含め、システムのさらなる高度化、広いエリアでの展開を期待したいと思います。

www.cre-en.jp/mizukami-blog/?p=2756#.WMOBqme7rIU

2つ目は、NECのAIの需要予測による食品ロス削減です。コンビニやスーパーなどで食品ロスに対応する最高のCSVは、欠品なくすべてを売り切ることですが、それを目指すものです。NECの商品需要予測ソリューションは、販売実績や廃棄数、気象予測、キャンペーン情報などさまざまなデータの相関をAIで分析し、店舗での商品販売数を高精度で予測します。この高精度な予測に基づく発注で、食品ロス削減、欠品防止、在庫最適化を実現します。

NECは、スーパーの「ライフ」と「クイーンズ伊勢丹」の店舗で実証実験を行っています。クイーンズ伊勢丹の需要予測による発注のシミュレーション結果では、従業員の見込みと同等以上の精度で来客数が予想でき、値下げのロスを最大30%削減できたそうです。

このAIを活用した商品需要予測ソリューションは、AIのCSVへの活用としては筋が良いと思います。セブン-イレブンなどのこれまでの強みとして、仮説検証による発注精度の高さがありますが、このソリューションは、流通企業の競争力向上と食品ロスという社会課題解決を同時実現するものです。AIの進化により、さらなる発注精度の向上、食品ロスの撲滅を目指してもらいたいと思います。

(参考)

www.eic.or.jp/news/?act=view&serial=38609&oversea=0

www.eic.or.jp/news/?act=view&serial=38611&oversea=0

※CSV推進にご関心のある方は、mizukami@cre-en.jpまでご連絡下さい。

csv-jp.org/related_info.html

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