ESGへの戦略的取り組みを進める1つのアイデア

2017-03-27 09:05 am

クレアンが調べたところでは、2016年は時価総額上位200社のうち86社が統合報告書を発行しています。2014年から比較すると倍増しており、最近のESG投資の流れも統合報告への関心を高めているかと思います。

統合報告では、ESGの取り組みがどう企業価値創造につながっているのかを表現することが期待されます。その表現においては、IIRCが提示している6つの資本とビジネスモデルをベースに「価値創造ストーリー」を描く企業も多いですが、現在までのところESGによる企業価値創造を納得性高く表現している価値創造ストーリーはほとんどありません。

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実態上、ESGに対して、企業価値創造という観点で戦略的に取り組んでいる企業がほとんどないことがその理由としてあるかと思います。実態のない中で、「ストーリー」は描けません。そういう意味では、まずESGを企業価値創造にどう活かすかを考え、それを企業戦略に落とし込み実践していくことが求められます。

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では、ESGへの戦略的取り組みをどう進めていくか。1つのアイデアとしては、組織を作ってしまうというやり方があります。組織を作れば、その組織およびスタッフのミッションが出来て活動が進みます。そこに会社で一目置かれているような優秀な人材をアサインすれば、さらに有効でしょう。キリンがCSV推進のために、CSV本部を設置しましたが、これは社内外へのメッセージになるとともに、実際にCSVを進める上で大いに貢献しています。

ESGへの戦略的取り組みを進めるためにどのような組織を作るか。ESG本部などを設置するのも一つの方法ですが、既存組織の名称・ミッションを変えるだけでも効果があると思います。個人的には、IIRCの6つの資本の考え方を組織の名称・ミッションに反映されるのも面白いと思います。例えば人事部は、Personnel Departmentとすると人事管理や労務管理がミッションとなりますが、Human Resource Departmentとすると人財の獲得・育成・動機づけによる企業価値創造がミッションとなります。人事部をHuman Capital部、人的資本部などとして、企業価値創造をミッションとすると、効果があるのではないでしょうか。

同様に、CSR部をSocial and Relationship部や社会・関係資本部、環境部をNatural Capital部や自然資本部とするとも面白いと思います。環境については、企業によってはステークホルダーとしての環境を未来世代・将来世代といった表現をする企業もありますので、未来創造部などとする考えもあるでしょう。特にCSRについては、事業とは別の社会貢献的なイメージが根付いている企業も多いので、名称変更は効果があるように思います。一方で、それらの活動を統合的に推進する機能も必要ですので、トップマネジメントを委員長とする統合経営推進委員会、ESG推進委員会なども必要です。

組織は戦略に従うとともに、戦略は組織に従います。統合経営推進という戦略意図で組織を作り、その組織が統合経営に向けた戦略を促進する流れにより、本格的統合経営が進んでいくと良いですね。

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※CSV推進にご関心のある方は、mizukami@cre-en.jpまでご連絡下さい。

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