「服のチカラ」でSDGsにどう貢献できるか?

2017-03-29 06:51 pm

ファーストリテイリングは、企業理念のステートメントで「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」と謳い、「服のチカラ」で世界を良い方向に変えていこうとしています。では「服のチカラ」とは何でしょうか。

服の基本機能としては、体温のコントロール、身体の保護などがあると思います。また、ファッションという観点からは、自分を表現したり心理面に影響を及ぼすこともあるでしょう。CSVの観点からは、こうした服のチカラで社会課題をどう解決するか、社会価値をどう生み出すかを考えることが必要です。

服のチカラとSDGsを関連づけてみると、服のバリューチェーンや産業としての側面まで含めるとSDGsの17ゴールすべてに貢献できそうですが、最近は、SDG3「健康・福祉」が注目されています。グンゼとNEC、東レとNTTなど、素材企業とICT企業が協働で、衣類にセンサーを編みこんで、着るだけで姿勢や消費カロリー、心拍などの生体情報が計測され、健康管理に応用できる衣類を開発しています。

また、アディダスの海のプラスチックゴミをつかったスニーカーは、SDG12「持続可能な生産消費」、SDG14「海洋資源の保全」に向けた消費者の啓発に貢献しています。

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SDG2「飢餓の撲滅・持続可能な農業」は、少し服とは遠いゴールのようにも思えますが、服を着る対象を変えてみるとアイデアが出てきます。グンゼは、牛に服を着せて、乳牛の生産性を向上しています。日本の乳牛の主流であるホルスタイン種は、健康を保てる温度が25℃とされており、夏季に暑くなるとストレスを感じて寝込んだり、食べる量が減ったりし、搾乳量が減少します。この課題に対して、グンゼは、冷汗素材の衣服に水を自動で流し、暑さによるストレスと搾乳量の減少を抑える製品「ウシブル」を開発しています。

SDG13「気候変動」に対しては、体温のコントロールという服の基本機能による貢献もありますが、服を着る対象を変えるともっとCSVアイデアが広がるでしょう。ウシブルのように動物に着せるというアイデアもあるでしょうし、もっと広げてモノに着せるというアイデアもあるかも知れません。炭素繊維なども、航空機や自動車の服として軽量化、CO2排出削減に貢献しています。

アパレル企業、素材企業など、それぞれの立ち位置によってCSVアイデアの可能性空間をどこまで広げるかは異なるでしょうが、「服にチカラ」にもかなりのポテンシャルがありそうです。

(参考)
「モ~暑対策 ウシ冷やせ」日経産業新聞(2017年3月23日)

※CSV推進にご関心のある方は、mizukami@cre-en.jpまでご連絡下さい。

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