市場・顧客の進化を先取りする:ユニ・チャーム

2017-04-03 08:48 am

CSVに取り組むことは、企業の社会感度を高めて、社会の変化を先取りすることにつながります。CSVでは、社会がSDGsなどを解決する方向に進むと考えて、それに先んじて、商品・サービスを開発します。同じように市場の変化を先取りするために、日本の代表的CSV企業であるユニ・チャームは、マズローの欲求5段階説(「生理的欲求」→「安全欲求」→「所属欲求」→「承認欲求」→「自己実現欲求」)を活用しています。

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ユニ・チャームの高原社長は、以下のような趣旨のことを言っています。「(海外市場については、)常に10年くらい先を見通して考えています。主に、その国・地域の「欲求度合い」がどこにあるか、ということを考えます。商品のニーズは、マズローの『欲求5段階説』と密接につながっています。例えば、日本人の平均的な欲求の度合いは、すでに承認欲求や自己実現欲求にきている。一方で、途上国は、まだ安心安全といったところを求める欲求レベルです。」「顧客ニーズをくみ取るのではなく、顧客の欲求が、階段を上がっていくのを先取りして提案します。具体的には、市場が成熟している日本や欧米では、ペットやシニアといった成長カテゴリーと見つける。成長市場では、布おむつを紙おむつに変えてもらう、生理用品をプリミティブな構造のものから高機能な女性の社会進出をサポートするといったことを提案していきます。」欲求段階に応じた市場・顧客の変化を先取りして、少し時間をかけても市場を創造しようという考えです。

また、高原社長は、欲求の5段階説の最終段階である「自己実現欲求」を満たすためには、ESGの観点が不可欠と考えているようです。高原社長は言っています。「我々がこれから30年に向けてさらに推し進めていくのは、自己実現欲求を満たすための企業になっていくということです。それを成し得るためには、ESGといった観点がなくては難しいと思います。」「現在、自治体と協働で紙おむつのリサイクルに取り組んでいますが、そうしたリサイクルなどの事業に取り組むことが、金もうけより重要になる時代が必ず来ます。」「ESGの観点を重視した商品としては、オーガニックコットンを利用した紙おむつ『ナチュラルムーニー』があるが、地球環境にやさしい、自然由来の素材を使った商品を子供に使わせたいという母親の自己実現欲求に沿う商品です。そうした商品の重要性は必然的に高まると思っています。」

最近「モノからコトへ」、「機能からストーリーへ」といった提供価値の変化、「マーケティング3.0または4.0」といったマーケティングのあり方の変化に対応することが必要と言われています。これもマズローの欲求段階説のような形で市場が進化しており、それを先取りすることが必要だということです。

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高原社長が言うように、ESGやCSVの観点がなければ、市場の進化を先取りすることは難しいと思います。企業もESGやCSVを実現する感度を高めることが、益々重要な時代となっています。

(参考)
「顧客の先行く提案で勝負:ユニ・チャーム高原豪久社長」日経ビジネス(2017.04.03号)

※CSV推進にご関心のある方は、mizukami@cre-en.jpまでご連絡下さい。

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