最高のコーヒーを追求するとCSVになる:ネスレ

2017-05-22 08:36 am

Shared Value Leadership Summit 2017報告第4弾です。今回のSummitの目玉の一つは、ネスレ会長のポール・ブルケ氏とマイケル・ポーター教授によるパネルでした。ブルケ氏は、最近CEOを退任し会長になったばかりで、今後は、経営の前線を離れ、CSVの推進・普及などに注力していくようです。

ネスレはCSVという言葉の生みの親とも言える企業ですが、ブルケ氏は、ネスレにとってCSVは特別なことではなく、自然体で行っている活動だと語っていました。ネスレには、乳幼児が飢餓に苦しむのを救うためにミルクを発明した創業者アンリ・ネスレの精神が根付いています。ブルケ氏は、ネスレの成功の最大の理由を「長期視点の経営」だとしており、そのためには、CSVの追求、長期的に事業に必要な「栄養」「水資源」「農業・地域開発」の取り組みは、自然のことだとしています。

なお、ネスレのCSVは、ネスレが事業を通じて生み出している社会価値を明確にしたいという考えのもと、マイケル・ポーター氏、マーク・クラマー氏らと協働で調査を行った結果をCSVという言葉を用いて纏めたところから始まっています。

今回のサミットでは、ポーター教授からCSVの代表例であるネスプレッソの話をしてくれという振りがありましたが、それを受けたブルケ氏の話は興味深いものでした。ブルケ氏は、「ネスプレッソは、ベストな1杯のコーヒーを提供しようというところから始まっている」と語っていました。「ベストなコーヒーを提供するために、ネスプレッソというシステムを開発した。そしてベストなコーヒーを提供していくためには、良質なコーヒー豆を長期的・安定的に調達する必要がある。そのためには、コーヒー農家を支援することが必要となる。また、ベストなコーヒーを心置きなく楽しんでもらうには、カプセルのリサイクルの問題にも取り組まなければならない。それで、カプセルをリサイクルしやすいアルミとし、リサイクルのシステムも構築している。」ということです。

ポーター教授は、ネスプレッソは、製品、バリューチェーン、エコシステムの3つのCSVのアプローチを体現する優れた事例だと、褒めていました。「ベストな1杯のコーヒーを提供する」ことを追求した結果がCSVとなっており、最高の製品・価値を顧客に提供するためには、バリューチェーン、エコシステムなど、CSVを追求する必要があるという分かりやすい事例です。

その後、パネルでは、社内にCSVをどう浸透させているか、長期と短期をどうバランスしているか、パーパスが社員をモチベートすることなどが話題となりました。しかし、個人的には、長期的視点で最高の製品・最高の顧客価値を追及することが、必然的にCSVに結びつくというところが、一番印象に残りました。

※CSV推進にご関心のある方は、mizukami@cre-en.jpまでご連絡下さい。

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