社会貢献のポートフォリオ再考

2017-07-27 11:52 am

私はCSVを中心に情報発信していますが、実際の仕事ではサステナビリティ全般の仕事をしており、社会貢献活動の方針作りや実施支援も行っています。社会貢献活動方針については、他の方針作り同様、WHY/WHAT/HOWを明示します。WHY=社会貢献活動の目的、WHAT=「環境」「教育」「地域貢献」などの重点領域、HOW=従業員やステークホルダーとのエンゲージメントなどの実行方法です。それに目指すゴールや活動の評価方法を加えることもあります。

社会貢献活動の重点領域については、社会に価値を生み出せることやステークホルダーの期待に応えることが基本ですが、CSVまたは戦略的社会貢献の考えからは、自社事業強化に役立つという視点も求められます。実際の社会貢献方針プロジェクトでは、「ステークホルダーの期待」「経営理念・戦略との整合性」「自社リソースの活用可能性」の観点から重点領域を選定することが多いです。

一方で、既存の社会貢献活動を棚卸しすることもありますが、その場合、「社会にとっての価値」と「自社にとっての価値」で、各社会貢献活動の位置づけを可視化します。社会にとっての価値とは、社会が期待する重要な問題に対応×活動がその問題解決に貢献している、ということです。自社にとっての価値とは、自社事業強化に貢献or社員のモチベーション/ロイヤルティー向上に貢献or評判向上に貢献、ということです。こうして社会貢献活動を可視化した上で、活動の継続如何、実施方法如何を検討します。

www.cre-en.jp/mizukami-blog/?p=737#.WXiitWcUnIU

上記のような社会貢献方針に基づく活動、社会貢献活動の見直しを進めていくと、どうしても自社事業と関係の深い領域の活動が中心となります。それぞれの企業が自社事業と関連の深い社会貢献活動を分業して実施するというのは、社会インパクトを創造するという意味では効率的だと思いますが、問題としては、漏れ落ちる社会課題が存在するということです。そうした課題に対しては、政府や市民(個人による寄付)で対応するという考えもありますが、企業としても、そういった課題の受け皿を持つことも必要です。

そうした観点で面白いと思っているのが、自然派化粧品企業のラッシュが、売上全額を草の根活動やキャンペーンに寄付するために販売しているボディクリーム「チャリティポット」の考え方です。ラッシュでは、チャリティポットの売上の寄付先選定方針の一つとして、「他の企業や助成団体からの助成金や寄付が集まりにくい団体」を掲げています。これにより、各企業が自社事業に関係する社会貢献を行うだけでは漏れ落ちる活動を支援しています。

jn.lush.com/article/charity-guidelines

企業の社会貢献方針やプログラムを考える際には、自社事業と関係の深い領域で社会インパクトを創造することも大事ですが、その中に、「他の企業や助成団体からの助成金や寄付が集まりにくい団体」のような考え方を含めることも必要かも知れません。社会貢献のポートフォリオを考える上で、一つ重要なポイントかと思います。

※CSV推進にご関心のある方は、mizukami@cre-en.jpまでご連絡下さい。

csv-jp.org/related_info.html

bizgate.nikkei.co.jp/series/007620/

CSV戦略ポテンシャル診断サービス
「CSV戦略ポテンシャル診断」サービスページ

Copyright(c) 2012 Cre-en All Rights Reserved.