マース、ダノンのマダカスカルバニラ農家支援

2017-08-14 07:09 pm

ネスレのコーヒー農家支援など、食品会社の原材料農家支援は、バリューチェーンのCSVの代表的な取組みです。農業のバリューチェーンは、生態系破壊や人権問題などの原因となるケースがありますが、こうした問題を解決し、地域の発展を支援しつつ、高品質原材料の安定調達を競争力の源泉としようとするものです。なお、農作物の品質は、気候や土壌に影響されますが、気候や土壌を選ぶ農作物ほど適地が限られ、その地域の原材料農家との関係を構築するバリューチェーンのCSVの価値が高いと言えます。

バニラは、世界の80%がマダカスカルの限られた地域で生産されるバリューチェーンのCSVに適した作物です。特に、マダカスカルのバニラ農家が、キャッシュ不足のため、バニラの収穫を早く行ってしまい、最適な品質のものが収穫できていないという課題があり、CSVが必要な作物です。また、現在普及しているバニラ香料の95%は、人工的に合成されたものですが、最近は、自然の香料に対するニーズが高まっています。

食品企業のマースとダノンは、こうした点に着目し、マダカスカルバニラ農家を支援するCSVを始めています。具体的には、香料メーカーのフィルメニッヒ、水マネジメント企業のヴェオリアと協働して、2,300万ドルのファンドを設立し、3,000のマダカスカルバニラ農家の持続可能性を向上させようとしています。取組み内容としては、バニラ生産の品質とトレーサビリティを高めるだけでなく、バニラ農家の食料保障のために米の生産も支援し、生態系保全も行います。この取組みを通じて、10年間で、バニラの品質を十分向上させ、トレーサビリティを高めるとともに、バニラ農家の収入を3倍にすることを目指しています。

日本の食品メーカーもバリューチェーンのCSVに取組み始めていますが、グローバル企業と比較すると、取組みが限定的な印象があります。本格的な競争力向上につなげるには、必要に応じて商社などとも連携しつつ、自社にとって重要な原材料の品質向上、調達の持続可能性を高めるため、取組みを強化してく必要があるでしょう。

(参考)

www.fooddive.com/news/mars-and-danone-invest-in-sustainable-madagascan-vanilla/448051/

www.just-food.com/news/mars-danone-set-out-to-boost-madagascar-vanilla-quality_id137230.aspx

※CSV推進にご関心のある方は、mizukami@cre-en.jpまでご連絡下さい。

CSV戦略ポテンシャル診断サービス
「CSV戦略ポテンシャル診断」サービスページ

Copyright(c) 2012 Cre-en All Rights Reserved.