空き家問題のCSVの萌芽

2017-08-24 09:43 am

夏季休暇に実家(富山県氷見市)に帰省しましたが、相変わらず、近所から子どもの声はせず、町内は、70代以上の夫婦が中心です。これから子どもをつくりそうな若者もおらず、若者が移住してくることも、市内でも他にいくらでももっと良い環境の場所はあるので、現実的には想定されません。10年、20年後は、空き家が増えることは確実です。最悪の場合、町内全体がほぼ空き家ということになりかねません。この空き家問題は日本全体の問題で、空き家の割合は、2030年に全国で30%程度になると見込まれています。

日本の今後の重要課題である空き家問題については、これからCSVの観点でも考えていかなければなりませんが、最近、みずほ銀行がAirbnbと連携して、空き家問題対策につながり得る興味深い取り組みを始めました。

本年7月、みずほ銀行は、Airbnbと業務提携し、みずほ銀行が持つ取引先企業のネットワークを活用し、社宅の空き部屋を抱える企業に対して、Airbnbに登録して民泊の宿泊先として利用するよう提案を始めました。みずほ銀行としては、施設のリノベーション費用の融資によって利益を得ようという狙いがあります。将来的には、社宅以外にも、寺や無人駅の駅舎といった、活用されていない資産を宿泊先に作り変えることも検討しているようです。防犯対策が難しい空き家を減らしつつ、宿泊施設の増加によって、地域の観光産業を拡大させようという考えです。

みずほ銀行としては、施設のリノベーション融資だけで大きなビジネスになるわけではありませんが、このビジネスの波及効果には、期待しているようです。波及効果の1つは、銀行の顧客ネットワークのさらなる開拓です。取引先の企業に対して、民泊という新たな成長分野を提案することで、それを足がかりにビジネスの機会を「重層的に伸ばしていくことを目指します。

波及効果の2つ目は、民泊以外のサービスを提供するスタートアップ企業との連携です。今回の提携には、みずほ銀行がベンチャー投資会社のWiLと設立した新会社のBlue Labも参画します。Blue Labは、先端IT技術を駆使して異業種との間に新事業を作ることを目的に設立された企業で、Blue Labの先進的な取組みをAirbnbが評価したからこそ、今回の提携に至りました。今回の取組みが成果をあげることができれば、それを“呼び水”として、「民泊の次のアイデアを持った企業がBlue Labに集まってくる」ことが期待されます。

民泊という新しいビジネスモデルの広がりをエスタブリッシュ企業であるみずほ銀行が支援し、それにより空き家問題などの社会課題が解決される。そして、みずほ銀行は、顧客ネットワーク、スタートアップ企業とのネットワークを広げ、新しい競争力を獲得する。田舎で見た空き家問題の解決にすぐにつながるわけではありませんが、こうしたCSVが広がり、いずれ様々な課題解決につながることを期待し、支援したいと思います。

(参考)

diamond.jp/articles/-/136808

※CSV推進にご関心のある方は、mizukami@cre-en.jpまでご連絡下さい。

csv-jp.org/related_info.html

bizgate.nikkei.co.jp/series/007620/

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