サステナビリティは、いつティッピングポイントを迎えるか?

2012-05-07 08:39 am

昨年末に、MITスローン・マネジメント・レビューとBCGが共同で、“サステナビリティがティッピングポイントに近づいている”というレポートを発表しています。

同レポートでは、113ヵ国の4,000人以上のマネージャーへのサーベイ結果に基づき、

#70%の企業がサステナビリティをマネジメント・アジェンダに挙げている。(その大部分は、最近6年以内にマネジメント・アジェンダとなったと回答)

#2/3の回答者が、現在の市場において競争力を保つためには、サステナビリティへの対応が必要としている。

#1/3の回答者が、サステナビリティへの対応が収益に貢献しているとしている。

などから、サステナビリティから多くの企業が収益を得るティッピングポイントに近づいているとしています。

ティッピングポイントとは、モノゴトが普及するときに、ある一定の閾値を超えると一気に広がることがありますが、この閾値のことを言います。

ロジャースの普及理論では、新しいモノ/コトは、時間の経過に従いS方型の曲線のように普及し、最初に新しい好きの「革新者(Innovators)」がトライし、次に流行に敏感なオピニオンリーダーである「初期採用者(Early Adopters)」が採用、その後、平均より早くモノゴトを取り入れる「前期多数採用者(Early Majority)」、フォロワーの「後期多数採用者(Late Majority)」がそれぞれ採用し、最後に「遅延者(Laggards)」が採用するとしています。また、市場におけるそれぞれの割合を、革新者2.5%、初期採用者13.5%、前期多数採用者34%、後期多数採用者34%、遅滞者16%と分析しています。

革新者は、新しいもの好きの冒険者で、初期採用者は、その様子を見てしっかりモノゴトの良さを考えた上で、採用します。この初期採用者は、社会的常識を持っており、尊敬される立場の人が多いため、初期採用者が採用しだすと、ティッピングポイントを迎えたと考えられます。

企業によるサステナビリティの対応については、本ブログでも一部紹介しているように、ネスレ、ユニリーバ、P&G、コカコーラ、GE、IBMなどの企業が、経営レベルで本格的に取り組んでいます。

こうした企業は、企業全体から見れば、特別な企業として「革新者」という見方もできますが、グローバル企業という括りで見れば、「初期採用者」と考えるのが適当ではないでしょうか。

私は、少なくとも世界の様々な課題と関わりを持つグローバル企業については、サステナビリティはすでにティッピングポイントを迎えており、CSR部門などに任せるのではなく、経営レベルで対応することが“当たり前”となるフェーズに入ってきていると考えます。

サステナビリティは、不可逆なメガトレンドですので、初期採用者となることで、今後の企業競争において優位なポジションを確立することができる可能性は大きいのではないでしょうか。

(参考)

sloanreview.mit.edu/feature/sustainability-strategy/

「ティッピング・ポイント」マルコム・グラッドウェル著(飛鳥新社、2000年)

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