ドラッカーの5つの質問とCSR

2012-05-10 08:43 am

ドラッカーが開発した組織の自己評価ツールとして「5つの質問」があります。社会が組織からなり、人々が必要とするもののほとんどが組織により提供される組織社会において、組織が正しい成果を上げるための思考を促す、シンプルですが非常に有効なツールです。

ドラッカー曰く、「組織はすべて、人と社会をより良いものにするために存在する。すなわちミッションがある。目的があり、存在理由がある。」

正にそのとおりです。組織と社会は共存関係にあり、組織は社会に価値を提供しているからこそ存在が許され、企業であれば、売上や利益というリターンを得ることができます。

以下が「5つの質問」ですが、これらを問うことにより、社会の中で自らの組織がなすべきことを明らかにし、それに向かって正しく活動を進めることができます。

  1. われわれのミッションは何か?
  2. われわれの顧客は誰か?
  3. 顧客にとっての価値は何か?
  4. われわれにとっての成果は何か?
  5. われわれの計画は何か?

この「5つの質問」は本当に良く出来ていて、企業が自社のミッションや活動が時代にマッチした適切なものとなっているかをレビューする際にも有効ですし、非営利組織などをマネジメントする際にも非常に有効です。また、企業の各部門などの組織内組織のマネジメントにも活用できます。

この5つの質問において、私が特に重要だと考えているのは、「われわれの顧客は誰か?」と「顧客にとっての価値は何か?」です。

ここでいう顧客には、活動対象としての顧客だけでなく、パートナーとしての顧客も含まれます。企業に関して言えば、主なステークホルダーとして、一般的に「(活動対象としての)顧客」「株主・投資家」「従業員」「取引先」「地域社会」などが挙げられますが、「顧客」以外のステークホルダーが、パートナーとしての顧客と言えるかと思います。

組織が成果をあげるためには、こうしたパートナーとしての顧客を満足させることも必要となります。

「顧客にとっての価値は何か?」について重要なことは、「いかなる組織といえども、顧客に聞かなければ、何を成果とすべきかはわからない」「顧客にとっての価値を想像してはならない。必ず顧客自身に聞かなければならない。」ということです。自分たちが勝手に考えたものではなく、顧客の側から見た価値を提供するには、ステークホルダー・エンゲージメントが必要となります。

パートナーとしての顧客を中心に「顧客は誰か?」を見極め、ステークホルダー・エンゲージメントを通じて「顧客にとっての価値は何か?」を理解し、自社の成果および計画に落し込み、マネジメントする。それは、所謂CSRマネジメントであり、CSRを担当する組織の重要なミッションと言えるでしょう。

(参考)

「経営者に贈る5つの質問」P.F.ドラッカー著(ダイヤモンド社、2009年)

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