サステナビリティを経営に統合する人財

2017-11-27 09:05 am

サステナビリティを本質的に経営に統合できている日本の大企業は、「ない」と言って良いかと思います。しかし、いい線まで進んできている企業はあり、そうした企業には、必ず熱意と能力のある優れたサステナビリティ人財がいます。

サステナビリティを本質的に経営に統合するためには、第①に、情報を感度高く収集するとともに、専門家とのネットワークを構築して、サステナビリティの最新動向を常に把握していくことが必要です。そして、第②に、経営層・事業部門を巻き込み、全社的なマネジメントシステムに、最新動向を含むサステナビリティを組み込むことが必要です。第③に、社内広報や人材開発部門と連携しながら、全社員にサステナビリティの意識を浸透させることが必要です。

日本企業では、主にCSR部門が上記の役割を果たしていますが、上記①の情報収取に貪欲な人材は、ある程度います。また、管理部門とのネットワークがあり、③の社内浸透をある程度進めている人材もいます。しかし、②の経営層・事業部門とのネットワークを持ち、巻き込めている人材は、非常に少ない印象があります。これは、どういう人材をCSRにアサインするか、経営のCSRに対する意識の問題もあるかとは、思います。

海外では、チーフ・サステナビリティ。オフィサー(CSO)が、上記①~③を進めるケースが多くなっていますが、サステナビリティが経営に統合されている印象のある企業では、CSOは、事業部門やマーケティング部門の出身が多いように思います。NGOで活躍している人材をヘッドハントでCSOに据えたりするケースもあるのですが、そうした場合は、社会貢献や人権対応などの取り組みは進む一方、経営とサステナビリティの統合は、余り進まない印象があります。

以前、CSR部門の役割として、企業の社会感度(=ソーシャル・インテリジェンス)を高めることが重要と書きました。しかし、企業のサステナビリティ推進者は、自らがソーシャル・インテリジェンスを持つだけでなく、社内を巻き込むために、経営に関するインテリジェンス、組織力学に関するインテリジェンス、社内人脈などが必要です。

www.cre-en.jp/mizukami-blog/?p=2637#.WhpPaEpl9dh

ビール業界で、2030年までにカーボンゼロ実現を目標にするなど、サステナビリティと経営の統合が進んでいる印象のあるカールスバーグCSOのサイモン・ホフマイヤー氏は、CSOに求められる3つの要件として、「社内セールスパーソンであること」「優れたプロジェクトマネージャーであること」「ビジネスがどう動くかに飽くなき関心を持つこと」を挙げています。

サステナビリティの専門家は、どちらかというと定常社会を志向するなど、成長や利益追求に関心の薄い人が多いように思います。企業のサステナビリティ人財としては、そうした考え方を理解しつつも、自社ビジネスの観点で必要なことは何かを考え、社内では、経営の言葉を使い、社内を動かすコミュニケーションをする必要があります。

ESGへの関心が高まる中、経営層はそうしたことができる人財をCSR部門などにアサインすべきです。また、投資家は、そうした人財をCSR部門などにアサインするよう、企業とエンゲージメントすべきです。

(参考)

www.greenbiz.com/article/carlsbergs-sustainability-director-3-skills-all-csos-need

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