気候変動に向けたトランスフォーメーション

2017-12-21 02:05 pm

気候変動対応の基本は、緩和と適応ですが、最近は、第3の道として、「トランスフォーメーション(変革)」が提唱されています。GHG削減や気候変動に対するレジリエンスを高めるといった具体的な活動というよりは、企業のあり方自体を変えていくというイメージです。

低炭素経済への移行は、新興国だけでも2030年までに20兆ドルの新たな機会を提供すると言われています。企業もこうした機会を捉えようとしていますが、今のところ気候変動に対する取り組みは不十分であり、各国が現在掲げている目標では、パリ協定の目標である2℃を超えて、2100年までに3℃以上気温が上昇すると予測されています。

パリ協定の目標達成には、企業が、これまでの緩和と適応策に加えて、トランスフォーメーションすることが求められています。このトランスフォーメーションの考え方を具体化し、促進するために、カナダのサステナビリティ・リーダーによるNPOのCBSRが、19のアクションプランからなるトランスフォーメーション企業のフレームワークを提示しています。

トランスフォーメーション企業のフレームワークの内容は、「サステナブル・パーパス:低炭素経済への移行をコア・ミッションに掲げる」、「サステナブルな顧客提供価値:製品に含まれるカーボンを削減する、カーボンを耐久財に変える、顧客がカーボン排出を削減し気候変動に適応できる製品を提供する」、「長期目標:バリューチェーンからのGHG排出削減の大胆なゴールを掲げ、サイエンスベースのターゲットを掲げる」、「サステナブルなガバナンスと組織文化:全社的気候変動ポリシーを掲げ、コミットメントをマネジメントおよびスタッフの報酬に反映し、ポリシーに基づいたビジネスの意思決定をする」など、多岐に亘っています。各ステークホルダーへの働きかけなども含まれます。

トランスフォーメーションの事例としては、インターフェースが、カーペットメーカーからフロア・モジュールの企業にトランスフォーメーションして、廃棄物ゼロと修復可能なデザインを目指していることなどが挙げられています。デンマークの電力会社DONGエナジーが、社名をアーステッドに変えて、化石燃料から洋上風力を中心とした再生可能エネルギーの企業になったのも、トランスフォーメーションでしょう。

個別のトランスフォーメーション活動では、フォードがCO2を原料としてプラスチックを生産して自動車部品に利用している例、仏ラファージュが、CO2を注入して高機能なセメントを生産している例などがあります。カナダの保険会社Co-operatorsは、政府に気候変動の適応と緩和について働きかけることを、活動目標としています。

日本では、「トランスフォーメーション企業」と言える企業は思い浮かびませんが、気候変動へのチャレンジは、企業を変革する良い機会です。中長期的には、トランスフォーメーションせざるを得なくなる企業も出てくると思います。まずは、CBSRの19のアクションプランの中で何ができるかを考えることからでも良いので、トランスフォーメーションに向けた準備を進めていくべきだと思います。

(参考)

www.sustainablebrands.com/news_and_views/business_case/coro_strandberg/climate_change_third_way_adapt_mitigate_or_transform

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