エネルのオープン・イノバビリティ(Innovability)
昨年のShared Value Leadership Summitの報告で、イタリアの大手電力会社エネルの取組みを紹介しました。将来的に電力を100%再生可能エネルギーで供給することにコミットしているエネルは、今年のSummitでも、全社を挙げた体系的なCSVやSDGsの取組みを紹介していました。
www.cre-en.jp/mizukami-blog/?p=2929#.Wv_Of0xuJdg
エネルは、売上高では世界2位の電力会社で、東京電力を大きくしたような会社です。そういう企業が100%再生可能エネルギーによる電力供給を約束しているのは、日本の現状を考えると、驚くべきことです。
エネルは、サステナビリティがイノベーションをドライブすると考えていますが、自社だけでは限界があることから、オープンイノベーションを推進しています。エネルは、その一環として、今般、課題とSolverと呼ばれる世界38万の研究者やスタートアップなどを結び付けるクラウドプラットフォームのイノセンティブ(InnoCentive)と協働し、エネルが重要課題として掲げるSDGsの4つのゴール、SDG4(教育)、7(手ごろな価格のクリーンエネルギー)、8(事業を展開するコミュニティでの働きがいと経済成長)13(気候変動)SDG実現に向けた50の技術的チャレンジを特定し、解決を目指す取り組みを進めています。
エネルでこの取組みを主導するのは、Head of Innovation and Sustainability (Innovability)のErnesto Ciorra氏ですが、エネルでは、イノベーションとサステナビリティを同時に推進しており、それを「イノバビリティ(Innovability)」と呼んでいます。イノバビリティは、社会やステークホルダーとエネルの両方に価値を生み出すCSVそのものです。
エネルがイノセンティブとの協働による「オープン・イノバビリティ」で解決を目指す課題は、以下のサイトに示されています。課題は、例えば、「ホームマネジメントシステムを利用する家庭での詳細なエネルギー消費データの革新的利用方法」といったもので、この課題のベストな解決策の提案者には、1万ドルが支給されます。
オープン・イノバビリティの取組みは、非常に興味深いですし、イノバビリティも重要なコンセプトです。日本語では、少々言いにくいかも知れませんが。
(参考)
※CSV推進にご関心のある方は、mizukami@cre-en.jpまでご連絡ください。
bizgate.nikkei.co.jp/series/007620/index.html