ポーター仮説2.0「適切で大胆なビジョンはイノベーションを促進する」

2018-06-25 01:39 pm

マイケル・ポーター教授は、1991年に、「適切に設計された環境規制が企業の効率化や技術革新を促し、規制を実施していない地域の企業よりも競争力の面で上回る可能性がある」という考え方(「ポーター仮説」)を提示しています。ポーター仮説には反論も多いようですが、「適切に」設計された環境規制がイノベーションを促進するというのは、当前のように思います。その環境規制が他地域にも広がることで、イノベーションのマーケットが拡大すれば、イノベーションを生み出した企業にとって大きな収益をもたらします。

最近は、規制がなくとも、企業が環境への対応を自主的に進めるケースが増えています。顧客が製品やサプライヤー選定にあたって、環境面を考慮するなど、環境対応が一つの競争要件になりつつあることが、その背景にあります。気候変動対応などについては、そうした流れが定着しつつあります。

ポーター仮説から20年後、ポーター教授はCSVを提唱していますが、CSVでは、世界の環境トレンドを洞察し、他社に先んじて製品・サービスを開発して、市場を切り拓きます。必要があれば、環境規制の導入を働きかけるなどのルールメイキングにより、市場を創造します。GEのエコマジネーションやデュポンの代替フロンは、環境市場を自ら創り出した代表事例でしょう。日本企業の例であれば、東レの炭素繊維などは、市場の創造まではかなりの時間を要していますが、環境トレンドを先回りしたものです。

www.alterna.co.jp/13269

www.cre-en.jp/mizukami-blog/?p=555#.Wy3wPUxuJdg

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また、エネルは、環境に関する野心的なコミットメントを掲げることがイノベーションを生み出すとしていますが、「適切な」ビジョンを掲げることは、イノベーションを促進するということは言えるでしょう。ポーター仮説の効果を自ら創り出すCSVです。

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最近は、CO2排出削減を中心に、大胆なビジョンを掲げる企業も増えています。こうしたビジョンを、環境トレンドを洞察した上で適切に掲げ、その実現に向けた取組を適切に遂行することは、イノベーションを生み出し、企業の長期的な競争力を高めるでしょう。「適切で大胆なビジョンは、イノベーションを促進する」。これを水上仮説と呼びたいところですが、暫定的にポーター仮説2.0としておきます。

※CSV推進にご関心のある方は、mizukami@cre-en.jpまでご連絡ください。

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