ESG視点を役員報酬に組み込むトレンド

2019-01-21 06:44 pm

最近、石油メジャーの英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルが、長期のCO2削減目標と役員報酬を連動させると発表しました。シェルは、販売する石油製品のネットカーボン・フットプリントを2050年までに半減、2035年までに20%削減する長期目標を設定しています。この長期目標実現に向けて、2020年以降毎年、今後3-5年間のネットカーボン。フットプリントの目標値を設定し、その達成状況を役員報酬と連動し、2050年まで続けるとのことです。

シェルは、TCFDに基づく気候変動シナリオ分析を実施しており、自社が保有する確認埋蔵量のうち80%は2030年までに採掘され、座礁資産化するリスクは小さいと想定しています。また、原油相場については、今後1バレル40ドルから100ドルの間を推移すると想定し、仮に40ドルになったとしても原油採掘で利益を上げられるとしています。

sustainablejapan.jp/2018/04/17/shell-energy-transition-report/31558

しかし、石油企業に対する投資家をはじめとするステークホルダーの目は厳しく、自然エネルギーへの転換についても本気で進めていくつもりがあるか懐疑的な見方があるため、今般、自社の本気度を示すため、役員報酬とCO2削減目標を連動させたのでしょう。

日本では、オムロンが役員報酬とESGインデックスDJSIの評価を連動させています。DJSIのWorldに入っているかどうかで、役員の中期業績連動株式報酬の10%ぐらいが変動するようです。オムロンでは、役員報酬の基本方針の1つに「持続的な企業価値の向上を動機づける報酬体系とする」を掲げており、これを反映したものです。役員報酬の40%以上を占める中長期業績連動報酬を中期経営計画の達成度に加え、中長期的な企業価値に関連する第三者機関のサステナビリティ評価(=DJSI)に連動させることとしたものです。

最近のガバナンスでは、役員に中長期的な企業価値へのインセンティブを与えることが求められており、中長期視点のインセンティブに基づく報酬体系が増える傾向にあります。さらに、ESGが中長期的な企業価値に影響するとの認識も広がっています。こうした中で、ESG視点を役員報酬に組み込む流れも広がるのではないかと思います。そのためには、ESGがどのように中長期的な企業価値につながるかのロジック/ストーリーの精査と適切なKPI設定が必要となります。多くの企業がそうした取り組みをするようになれば、本格的な統合経営時代が到来するでしょう。

(参考)

rief-jp.org/ct4/85194

ideasforgood.jp/2019/01/18/shell/

www.omron.co.jp/about/corporate/governance/compensation/

www.omron.co.jp/ir/irlib/pdfs/esg/20171227_esg_qa.pdf

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参考CSV情報

csv-jp.org/related_info.html

bizgate.nikkei.co.jp/article/DGXMZO2856747026032018000000?page=5

bizgate.nikkei.co.jp/article/DGXMZO2856746026032018000000

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