2019年、SDGs実現に向けて重要な年にどう動くか

2019-02-18 10:04 am

SDGsは、政治家、ビジネスリーダー、自治体、教育界、市民セクターなど、認知や関心が高まってきており、2015年の採択以降の立ち上がりは、概ね順調と言っていいでしょう。しかし、パリ協定の枠組みのある気候変動は別として、SDGs全体への関心がさらに広まり取り組みが進んでいくかというと、まだ予断は許しません。特に、取り組みについては、今のところ、政府、企業とも、従来の取組みをSDGsのフレームワークで整理しているだけというものが多く、これからという段階です。更なる後押しが必要です。

SDGsへの関心や取り組みを持続させ進化させていくという意味で、毎年ハイレベル政治フォーラムを開催してフォローアップし、さらに4年に1度国連総会主催でのハイレベル政治フォーラム「SDGサミット」を開催して首脳レベルでレビューすることにしているのは、良いやり方だと思います。

第1回SDGサミットは、今年9月24・25日にニューヨークの国連本部で開催されることとなっています。7月に開催される定例のハイレベル政治フォーラムで51の国がSDGsの進捗を発表することになっており、その流れを受けて9月にSDGサミットが開催され、各国首脳がSDGsについて議論し、2030アジェンダの進捗と課題を示しつつ2030アジェンダへの国際的なコミットメントを再活性化する予定です。SDGサミットと同時にSDGビジネスフォーラムも開催され、ビジネスリーダーがSDGsの取組みを棚卸し、取り組みをスケールするために政策担当者と対話する機会を提供します。また、国連は、サミットに合わせて過去4年のSDGsの進捗を分析する報告書を発表する予定で、SDGs実現に向けたモメンタムを高めていこうとしています。

SDGsを推進しようとする各ステークホルダーもSDGサミットに照準を合わせてくるでしょう。企業のSDGsに対するパフォーマンスも精査され、可視化されていくでしょう。オックスファムは、昨年末Walk the Talk報告を発表し、ビジネスがこれまで示しているアンビションのレベルに懸念があると指摘し、企業が意味のあるSDGエンゲージメントを強化するための一連の勧告を提示しています。また、企業のパフォーマンスを精査するWorld Benchmark Allianceは、2,000の世界の大企業を社会課題と業界で分類し、一連のベンチマークで評価することとしています。このベンチマークは今年から始まり、5年間で20のベンチマークがリリースされる予定です。

その他、SDGsに関しては、様々なツールやリソースが整備されてきています。Sustainable Development Solutions NetworkのSDG Index & Dashboards、World Bank Atlas of SDGs、SDG Tracker portalなどがSDGsの課題に関する様々な角度からのインサイトを提供し、SDG Industry Matrix、SDG Sector RoadmapなどがSDGsへの取組みに向けたセクターごとのインスピレーションを提供し、国連グローバルコンパクトとGRIが開発したAnalysis of the Goals and Targets、Integrating the SDGs into Corporate Reportingなどが、SDGsの情報開示についてのガイダンスを提供しています。

また、気候変動に関しては、Science-based targetsが広がっていますが、SDGsについても、サイエンスベースの取組みが進められていくでしょう。今年すでに、EAT-Lancet Commission reportが発行され、健康で持続可能なグローバルフードシステムに対する科学的知見を提供しています。ILOのGlobal Commission on the Future of Workの報告書は、すべての人々のディーセントで持続可能な雇用機会を実現するために必要なカギとなるステップを示しています。

SDGs実現に向けては、ファイナンスが最大の課題とも言えますが、今年は、これに関しても動きがあるでしょう。国連は、SDGs実現には年間5-7兆ドルの投資が必要と見積もっていますが、現在は2-3兆ドル不足しています。このうち最低1兆ドルは民間セクターからの投資が期待されています。SDGsのような社会課題をどうファイナンスするかは、ビジネスにとって重要な機会を提供しており、イノベーションが生まれつつあります。2019年は、SDGs実現に向けた投資のリスクを軽減しインセンティブを与える新しいメカニズムを拡大するために重要な年です。UNCTADによる新しいオンラインポータルは、新しいイニシアチブを俯瞰できるようにします。国連事務総長は、今年9月に2030アジェンダをファイナンスする戦略を立ち上げようとしています。

2019年は、SDGサミットを中心に、SDGs実現に向けたモメンタムを高めようと、様々なステークホルダーが動いています。こうした動きを感度高くキャッチし、自社のビジネス機会、競争力強化の機会とすることが重要です。

(参考)

www.greenbiz.com/article/6-themes-scaling-corporate-action-sdgs

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参考CSV情報

csv-jp.org/related_info.html

bizgate.nikkei.co.jp/article/DGXMZO2856747026032018000000?page=5

bizgate.nikkei.co.jp/article/DGXMZO2856746026032018000000

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