知見・事例
JSR 着実に進化を遂げるCSR(1/2)
- 黒田 聖一 様(CSR部長):左
- 久保 達哉 様(CSR部主査):右
- 山浦 孝栄 様(CSR部):中央
実施年月日 | 2010年5月22日 |
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聞き手 | 株式会社クレアン コンサルタント 山口 智彦 |
JSR株式会社 会社概要
メタルワン設立の経緯
JSRは、石油化学分野のエラストマー事業からスタートし、現在では電子材料、ディスプレイ材料に代表される情報通信分野などの事業分野において素材、技術をもとに事業展開している会社です。
会社名 | JSR株式会社 |
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設立 | 1957年(昭和32年)12月10日 |
資本金 | 233億2,016万円 |
連結従業員数 | 5,212名(2010年3月31日現在) |
本社所在地 | 東京都港区東新橋一丁目9番2号汐留住友ビル |
ホームページ | http://www.jsr.co.jp/ |
1.EICC(Electronic Industry Citizenship Coalition)との協働について
山口:今日はお時間を頂戴して、ありがとうございます。
2008年頃、JSRがそれまでのレスポンシブル・ケアへの取り組みから、大きく前へ一歩踏み出され、社会と向かい合う経営に転じられたと感じ、その気持ちが以後も続いています。
そのような大きな転機には、CSRの必要性を本質的に理解された経緯があったのではと思うのですが、そのあたりの経緯が、本日お聞かせいただきたいことの中心です。
黒田氏:トップの先見性が大きいと思います。以前の担当専務が、会社は経済性だけではない、レスポンシブル・ケアだけが課題ではなかろう、という人間で、それらを議論しようではないかと2003年に「CSR会議」を設けました。これによって会社の大きな方向性が決まりました。ただし、このタイミングではまだ専門部署は設置せず、少しずつ社内におけるCSRの理解を広めていくことを重視しました。
現在のCSR担当専務である春木もCSRについて当社が取り組む重要な経営課題の1つとして認識しており、CSR部の設置をトップに訴えてくれました。
久保氏:実際には2008年にCSR部を設置することになったのですが、上手く機能する推進体制を作るにはどうすればよいだろうと色々考えました。
CSRに関することをなんでもCSR部が担当するのでは、実質的なことができなくなるので、「CSR会議」の下に4つの委員会を設けて、それぞれの主管部署を決めました。分業体制を取り、横の連携をCSR部が行うという仕組みです。
会社ごとに色々な体制がありえますが、社員に理解してもらうためには、分りやすい体制であることが重要だと思います。
山口:経営計画とCSRを一体化しようとされていることがCSRレポートに示されています。将来の自社像とそれに基づいた経営計画が情報電子、環境・エネルギーなどの主要課題で自社がどのような事業を行うかをどのように示されるかステークホルダーの一人として期待しています。
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