知見・事例
インテルのサプライチェーン・マネジメント(1/2)
- 佐倉 英俊 様(インテル株式会社 技術開発・製造技術本部 リソグラフィー開発部 シニア・エンジニア)
実施年月日 | 2012年7月10日 |
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聞き手 | 株式会社クレアン コンサルタント 山口 智彦 |
1.EICC(Electronic Industry Citizenship Coalition)との協働について
山口:EICCが始めたサプライチェーン・マネジメント(SCM)の考え方と手法は、電子業界だけでなくて、あらゆる業種に波紋が広がって、今は実質の世界標準型となりました。
そのEICCを先導している一社がインテル社であることは広く知られていますが、今日はインテルのSCMのエッセンスを教えていただきたいと思います。
最初に、EICCの特色からお聞かせいただけますか。
佐倉氏:電子業界のサステナビリティ課題は共通しているから、SCMには一種類の質問表を使おう、と考えたわけです。
その質問表に答えたサプライヤーの回答結果データは、EICCのデータベースに載せて、会員企業で共有すると、サプライヤーの側からすれば同じような質問が色々な会社から来て、それに個別に答えなければならないという無駄が無くなります。
そのメリットは発注側の企業も同じです。
山口:データベースを共有しあっているというのは、他の業界にはあまり知られていないかもしれませんね。EICCの調査はどんな調査なのでしょう。
佐倉氏:この質問表がぶ厚いんです(笑)。
質問表の基本型はEICCのホームページに載っていますが、一つ質問をして、それに答えると、その内訳は?と聞いてくる、というもので、全部回答するのに2カ月掛ります。
山口:2カ月(呆然)。
佐倉氏:サプライヤーにとっては、なぜこんなことを聞いてくるのかわからない質問も多いこともあるし、やはり言葉を交わさなければ伝わらないことがたくさんあるので、私のような担当者が訪問して、質問表を使って一つずつ対話して確認していきます。
山口:ぎっしりと中身が詰まった回答書が出来て、それがデータベースに載ると。
良い方法ですね。答えるのは大変だけど、一度答えれば他の顧客からはもう聞かれずに済むのなら、ここはがんばって答えようと思いますね。
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