統合経営報告

統合経営報告

トップコミットメント

株式会社クレアン 代表取締役社長 冨田 洋史

ありたい未来を考える

近年、サステナビリティを取り巻く環境は大きく変化しています。SSBJやCSRDをはじめとする情報開示基準の整備、人権やサプライチェーンに関する規制の強化。一方で、気候変動などの政治化による政府対応の停滞。結果的に、企業に求められる役割はますます拡大しています。企業はこれまで以上に、事業が社会や環境にどのような影響を与え、また社会の変化がどのように事業へ影響するのかを自ら考え、伝えていく必要があります。

こうした変化は、企業にとって大きな挑戦です。しかし私は、それ以上に大きな機会でもあると考えています。なぜなら、サステナビリティとは単に求められたことに対応する活動ではなく、自社はどのような未来の実現に貢献したいのかを問い直す機会だからです。

世界では、気候変動や自然環境の悪化、人権侵害や格差の拡大など、多くの課題が深刻化しています。この10年、多くの企業がサステナビリティへの取り組みを進めてきました。しかし一方で、私たちはまだ十分に未来を変えられていないのではないかという思いもあります。だからこそ今必要なのは、「どう対応するか」だけでなく、「どのような未来を実現したいのか」を考えることではないでしょうか。

サステナビリティは、リスク管理のためだけのものではありません。企業が未来を創るための活動です。

新しい製品やサービスを生み出すこと。
サプライチェーン全体をより持続可能なものへ変えていくこと。
人々のウェルビーイングや地域社会の発展に貢献すること。

企業には、社会をより良い方向へ動かす力があります。私たちクレアンは、その可能性を信じています。

未来は対話から生まれる

では、その未来はどのように見つければよいのでしょうか。私は、「未来は対話から生まれる」と考えています。未来には正解がありません。そこに参加する一人ひとりが形づくっていくものです。だからこそ、一人の経営者や一つの部署だけで未来を描くことはできません。

現場で働く社員、取引先やパートナー、生活者や投資家、地域社会、NPOやNGO、そして未来を生きる若い世代。それぞれが持つ異なる価値観や視点を持ち寄ることで、これまで見えていなかった可能性が見えてきます。

私たちが考える対話とは、異なる立場の人たちが相互に学び合い、新しい意味や可能性を見出し、未来への選択肢を創り出していくプロセスです。その意味で対話は、合意形成のための手段ではなく、「未来を探索し、創造するための手段」だと考えています。

「未来をつくる企業」へ向けて

クレアンは創業以来、多くの企業のサステナビリティ推進に伴走してきました。情報開示、マテリアリティの特定、経営戦略への統合、ステークホルダーとの対話、人権やサプライチェーンマネジメントなどを通じて、企業が本気で変わろうとするプロセスを支援してきました。

その過程で、過去の延長線上にはなかった新しい考えに多く出会えたと思っています。そして対話の先にある未来を、実際の行動や事業の変革につなげていくことが求められています。これから私たちはさらにその役割を進化させ、ステークホルダーの皆さまと協力し、お客さまが「未来をつくる企業」へとさらに発展していく支援をしたいと考えています。また、その役割を通じて、私たち自身も「未来をつくる企業」に進化していきます。

サステナビリティに正解はありません。だからこそ、対話が必要です。クレアンはこれからも、多くの企業やステークホルダーの皆さまとともに対話を重ねながら、持続可能な社会の実現に向けた新しい未来を創り続けていきます。